税金ってそもそも何?なぜ払うの?
税金と聞くと「お金を取られる」というマイナスなイメージを持つかもしれません。しかし、税金は私たちの生活を支える大切な仕組みです。フリーランスとして働く前に、税金の本質的な役割を理解しておきましょう。
税金の役割と社会での使われ方
私たちが毎日使っている道路、学校、図書館、消防署、救急車。これらは全て税金で運営されています。税金は、個人では負担できない大きなサービスを、みんなで少しずつお金を出し合って実現する仕組みです。
フリーランスが知っておくべき税金の種類
会社員の場合、税金は給料から自動的に引かれますが、フリーランスは自分で税金を計算して納める必要があります。まずは、どんな税金を払う必要があるのかを把握しましょう。
フリーランスが払う税金の全体像
フリーランスエンジニアとして働く場合、主に以下の税金や保険料を自分で納める必要があります。それぞれの特徴と、大まかな金額の目安を理解しておきましょう。
※金額やルールは、年度や住んでいる自治体、収入や家族構成で変わります。ここでは「全体像をつかむための目安」として見てください。
- 大まかな目安 フリーランスの場合、収入の25〜35%が税金・保険料として出ていくイメージです
- 年収300万円の場合 約75万円〜105万円が税金・保険料になる計算です
- 手元に残る金額 年収300万円なら、実質的に使えるお金は約200万円前後になります
- 事前の準備が重要 税金用の口座を別に作り、収入の3割は最初から分けておくと安心です
確定申告って何をするの?
確定申告とは、1年間の収入と支出を税務署に報告し、納めるべき税金の額を確定させる手続きです。フリーランスにとって、年に1回必ずやらなければならない重要な作業です。
- 収入 仕事で入ってきたお金(売上)
- 経費 仕事のために使ったお金
- 所得 収入 - 経費(税金はこの「所得」を元に計算されます)
確定申告の3つの目的
確定申告は単なる「税金の計算」だけではありません。正しく申告することで、様々なメリットがあります。
- 1年間の収支を報告する
- 1月1日〜12月31日までの収入と経費を集計し、実際の利益(所得)を計算します。この所得に基づいて税金が決まります。
- 払うべき税額を確定する
- 計算した所得をもとに、所得税と住民税の金額が決まります。所得税は確定申告時に納付し、住民税は後日通知が来ます。
- 払いすぎた税金が戻ってくることもある
- 年の途中で源泉徴収された税金が多すぎた場合、確定申告することで還付金として戻ってきます。医療費控除なども申告できます。
確定申告の期間と提出方法
※期限や受付期間は年によって前後することがあります。毎年、国税庁の案内で最終確認しておくと安心です。
確定申告は、以下の3つの方法で提出できます。近年は、e-Taxを使ったオンライン申告が主流になっています。
- e-Tax(イータックス)- オンライン申告
- 自宅からインターネットで申告できる最も便利な方法です。マイナンバーカードがあれば24時間提出可能で、還付金も早く振り込まれます。
- 郵送
- 必要書類を税務署に郵送する方法です。控えが必要な場合は、返信用封筒を同封します。消印の日付が提出日になります。
- 税務署の窓口
- 直接税務署に持参して提出します。期間中は混雑するため、e-Taxの利用が推奨されています。
確定申告の基本的な流れ
確定申告は複雑に見えますが、実際の手順は4つのステップに分けられます。AIを活用した会計ソフトを使えば、これらのステップを大幅に効率化できます。
- 収入に関する書類:請求書、支払通知書、入金明細
- 経費に関する書類:レシート、領収書、クレジットカード明細
- その他:国民健康保険・年金の支払証明書、控除証明書
- 収入の記録:いつ、誰から、いくら受け取ったか
- 経費の記録:何に、いくら使ったか(勘定科目ごとに分類)
- AIの自動仕訳:レシート撮影で自動的に記帳してくれる
- 所得の計算:収入 - 経費 = 所得
- 控除の適用:基礎控除、社会保険料控除など
- 税額の計算:ソフトが自動で計算してくれる
- e-Taxで電子申告:会計ソフトから直接送信可能
- 税金の納付:銀行振込、クレジットカード、コンビニ払いなど
- 控えの保管:提出した書類の控えは7年間保管が必要
青色申告と白色申告、どっちを選ぶ?
確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、自分の状況に合わせて選ぶことが重要です。
簡易的な記帳でOK
すぐに始められる
記帳のハードルが低い
特別な控除はない
所得から65万円差し引ける
最大3年間繰越可能
青色事業専従者給与
事前に承認申請が必要
青色申告の承認申請はいつまで?
青色申告をしたい場合は、事前に税務署へ「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。
- 新規開業の場合 開業から2ヶ月以内に申請が必要
- 既に白色申告している場合 青色申告したい年の3月15日までに申請が必要
- 申請し忘れた場合 その年は白色申告になり、青色申告は翌年からになる
年収400万円、経費100万円のフリーランスの場合:
白色申告の場合
- 所得:400万円 - 100万円 = 300万円
- 所得税:約20万円
青色申告(65万円控除)の場合
- 所得:400万円 - 100万円 - 65万円 = 235万円
- 所得税:約14万円
→ 約6万円の節税(住民税も含めると約10万円程度の節税効果)
AIツールで確定申告を簡単にしよう
ここまで税金と確定申告の基本を学んできましたが、実際の作業は会計ソフトを使うことで大幅に効率化できます。特に最近のクラウド会計ソフトは、AIが入っているので初心者でも使いやすくなっています。
主要なクラウド会計ソフト
現在、フリーランスに人気の会計ソフトは主に3つあります。どれもスマートフォンアプリに対応しており、レシート撮影や銀行口座の自動連携ができます。
- freee(フリー)- 初心者に最もおすすめ
- 質問に答えるだけで確定申告書が作成できる設計です。「○○を買いました」のような自然な言葉で入力でき、簿記の知識ゼロでもOK。月額1,628円〜、無料期間30日間。レシート撮影の精度が特に高いです。
- マネーフォワード クラウド確定申告 - 自動化重視派に
- 銀行・クレジットカードとの連携が強力で、取引の8割以上を自動化できます。家計簿アプリのマネーフォワードMEとも連携可能。月額1,408円〜、無料期間1ヶ月。取引数が多い人向けです。
- 弥生会計 オンライン - サポート重視派に
- 電話・メール・チャットサポートが手厚く、確定申告の時期は専門スタッフに相談できます。シェアNo.1の実績。月額9,680円〜(初年度無料)。安心感を求める人におすすめです。
AI会計ソフトの便利な機能
- レシート・領収書の自動読み取り
- スマホで撮影するだけで、金額や日付、店名を自動で読み取って記帳してくれます。
- 銀行口座・クレジットカードの自動連携
- 取引を自動で取り込み、AIが勘定科目を提案してくれます。
- 自動仕訳の学習機能
- 同じような取引は、過去の仕訳パターンを学習して自動で分類してくれます。
- 確定申告書の自動作成
- 入力したデータから、確定申告書を自動で作成してくれます。
- エラーチェック機能
- 入力漏れや計算ミスがあると警告してくれるので、間違いを防げます。
ある日の経費記録の流れ
- カフェで打ち合わせ - 会計後、レシートをスマホで撮影
- AIが自動読み取り - 金額、日付、店名を認識
- 勘定科目を提案 - 「会議費」と自動で分類
- 内容を確認して保存 - 「クライアントとの打ち合わせ」とメモ追加
- 完了 - わずか30秒で記帳完了!
このように、会計ソフトを使えば、経費の記録は1件あたり30秒〜1分程度で終わります。月末にまとめてやるのではなく、その場で記録する習慣をつけると楽です。
無料プランでも十分使える
多くのクラウド会計ソフトには無料プランや無料期間があります。特に始めたばかりで取引量が少ない場合は、無料プランでも十分対応できます。
- まずは無料プランで試す 各社とも無料プランや無料期間があるので、実際に使ってみて自分に合うか確認しましょう
- スマホアプリの使いやすさ レシート撮影をよく使うなら、スマホアプリの使い勝手を重視しましょう
- サポート体制 確定申告が初めてなら、サポートが充実しているソフトを選ぶと安心です
- 銀行連携の対応状況 自分が使っている銀行やクレジットカードに対応しているか確認しましょう
税務署や税理士に相談することも大切
AIや会計ソフトは便利ですが、判断に迷ったときは専門家に相談することも重要です。
- 税務署の無料相談 確定申告の時期は、税務署で無料の相談会が開催されています。基本的な質問なら気軽に相談できます
- 税理士の活用 収入が増えてきたり、複雑な取引がある場合は、税理士に依頼するのも選択肢です。費用は年間5万円〜15万円程度が相場です
- 国税庁のチャットボット 国税庁のWebサイトには、AIチャットボットがあり、よくある質問に自動で答えてくれます
まとめ
- 税金は社会を支える仕組み 道路や学校など、みんなで使うサービスの財源になっています
- 収入の約3割が税金・保険料 フリーランスは自分で納める必要があるため、事前に分けて管理しましょう
- 確定申告は年1回 2月16日〜3月15日に、前年の収支を報告します
- 青色申告で節税 最大65万円の特別控除が受けられるので、慣れたら青色申告に切り替えましょう
- AIツールを活用 クラウド会計ソフトを使えば、レシート撮影だけで自動記帳できます
- 困ったら相談 税務署の無料相談や税理士を活用して、正しく申告しましょう
次回は、経費について詳しく学びます。何が経費になるのか、どこまで使っていいのか、具体的な判断基準を理解しましょう。