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第3章 - セクション14

お金の受け取りと契約の基本を学ぼう

契約形態別のお金の受け取り方と見積・請求の基本

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先生、フリーランスって会社みたいに給料が自動で振り込まれるわけじゃないですよね?お金ってどうやってもらうんですか?

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実は契約形態によって全然違うんだ。準委任契約とエージェント経由の場合と、請負契約の場合では、やることが大きく変わるよ。

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え、契約形態で違うんですか?

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多くのフリーランスエンジニアは準委任契約でエージェント経由で働いていて、この場合は請求書を自分で作る必要はほとんどない。でも請負契約で直接クライアントと取引する場合は、見積書や請求書を自分で管理する必要があるんだ。

契約形態でお金の受け取り方が変わる

フリーランスエンジニアのお金の受け取り方は、契約形態によって大きく異なります。多くのエンジニアが利用する準委任契約と、成果物ベースの請負契約では、手続きや管理方法が全く違うのです。

まずは、それぞれの違いを理解しましょう。

契約形態別:お金の受け取り方の違い
準委任契約と請負契約では手続きが大きく異なる
準委任契約+エージェント
多くのエンジニアが利用
請求書作成は不要
エージェントが代行してくれる
振込先の登録だけ
口座情報をエージェントに伝える
自動で振り込まれる
月末締め翌月末払いなどのサイクル
勤怠報告が必要
タイムシートで稼働時間を報告
請負契約(受託・直接)
成果物ベースの働き方
見積書の作成
契約前に金額を提示する
請求書の発行
作業完了後に自分で請求
支払い管理
入金確認を自分で行う
契約書の管理
取引条件を自分で確認・保管
初心者には準委任契約+エージェントがおすすめ
請求書作成などの事務作業が不要で、仕事に集中できます。経験を積んでから、請負契約に挑戦するのが一般的な流れです。
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エージェント経由だと、請求書を作らなくていいんですね!

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エージェントが間に入ってくれるから、事務作業の負担がぐっと減るんだ。これが初心者に準委任契約がおすすめされる理由だよ。

準委任契約でのお金の受け取り方

準委任契約でエージェント経由で働く場合、お金の受け取りはとてもシンプルです。基本的に自分で請求書を作る必要はなく、エージェントが全て代行してくれます。

エージェント経由の報酬受取の流れ
STEP
01
エージェントとの契約
エージェントに振込先の銀行口座を登録します。報酬の支払いサイト(締め日・支払日)も確認しておきましょう。
STEP
02
勤怠報告の提出
タイムシートなどで稼働時間をエージェントに報告します。クライアント企業が内容を確認・承認したら、エージェントが報酬額を計算してくれます。
STEP
03
報酬の自動振込
指定された支払日に、報酬が登録した銀行口座へ自動で振り込まれます。振込手数料は基本的にエージェントが負担してくれます。
支払いサイトとは?

「支払いサイト」とは、締め日から支払日までの期間のことです。例えば「月末締め翌月末払い」の場合、1月分の報酬は2月末に振り込まれます。

  • 月末締め翌月末払い 1月分→2月末入金(約1ヶ月後)
  • 月末締め翌々月15日払い 1月分→3月15日入金(約1.5ヶ月後)
  • 15日締め当月末払い 1月15日分→1月末入金(約15日後)

最初の報酬が入るまで時間がかかるので、生活資金に余裕を持っておきましょう。

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請求書を作らなくていいから、すごく楽ですね。

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そうだね。だからこそ多くのエンジニアがエージェントを利用するんだ。仕事に集中できるのが大きなメリットだよ。

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でも「源泉徴収」って聞いたことがあります。これって関係ないんですか?

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そうだね。準委任契約のシステム開発は、基本的に源泉徴収の対象外なんだ。だから報酬は全額振り込まれることがほとんどだよ。

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じゃあ、源泉徴収って何なんですか?

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源泉徴収は、報酬を払う側が税金を先に差し引いて国に納める仕組みのことだよ。例えば記事執筆やセミナー講演の報酬は、10.21%が源泉徴収されることが多いんだ。でもシステム開発業務は法律上、原則として対象外なんだよ。

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なるほど。だから私たちは気にしなくていいんですね。

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そうだね。ただし、エージェントによっては「念のため」源泉徴収するケースもあるから、契約時に確認しておくといいよ。もし源泉徴収されても、確定申告で正しく申告すれば、払いすぎた分は戻ってくるから心配しなくて大丈夫だよ。

源泉徴収が必要になる業務

システム開発以外の業務を受ける場合は、源泉徴収の対象になることがあります。

  • 記事執筆・講演 技術記事やセミナー登壇など(10.21%が源泉徴収)
  • デザイン業務 Webデザイン、ロゴデザインなど
  • 著作権関連 コンテンツの利用料や譲渡対価

これらの業務を受ける場合は、確定申告時に**支払調書(または源泉徴収額がわかる明細)**が必要になることがあるので、必ず保管しておきましょう。

請負契約での見積書・請求書の作り方

一方、請負契約で直接クライアントと取引する場合や、クラウドソーシングで案件を受ける場合は、自分で見積書と請求書を作成・管理する必要があります。

これは受託開発やWeb制作案件など、成果物ベースで報酬が支払われる契約形態で必要になります。

見積書が必要なケース

見積書は、契約前にクライアントに金額を提示するための書類です。

クラウドソーシングで案件に応募する際や、直接企業から依頼を受けた際に作成します。例えば、「コーポレートサイトを作ってほしい」という依頼に対して、「デザイン費◯万円、コーディング費◯万円、合計◯万円です」と具体的な金額を示すのが見積書の役割です。

見積書を提出し、クライアントが金額に同意したら、契約成立となります。この段階で金額が確定するため、後から「思ったより時間がかかった」と言っても、追加請求は難しくなります。だからこそ、見積もりは慎重に行う必要があるのです。

  • クラウドソーシング ランサーズ・クラウドワークスでの案件応募時
  • 直接契約 知人や企業から直接依頼を受けた時
  • Web制作・受託開発 サイト制作やシステム開発の案件
  • 金額交渉 複数の候補者から選ばれる場合
見積書に必要な4つの項目
正確な見積書を作成するためのチェックリスト
基本情報
見積書番号(管理用)
発行日
有効期限(通常30日程度)
自分の氏名・屋号
宛先情報
クライアントの会社名
担当者名(〇〇様)
案件名・プロジェクト名
見積件名
作業内容の明細
作業項目の詳細
単価×時間 or 一括価格
各項目の小計
備考欄(補足説明)
金額の計算
小計(税抜き)
消費税(10%)
合計金額(税込)
源泉徴収額(必要な場合)

請求書に必要な項目

作業が完了したら、請求書を発行して報酬を請求します。請負契約では、この請求書がないとお金は振り込まれません。

請求書に必要な6つの項目
確実に報酬を受け取るための必須項目
基本情報
請求書番号(管理用)
発行日
自分の氏名・屋号
住所・電話番号
宛先と案件情報
クライアントの会社名
担当者名(〇〇様)
案件名・プロジェクト名
請求件名
金額の詳細
作業内容の明細
小計(税抜き)
消費税(10%)
合計金額(税込)
支払い情報
振込先銀行名・支店名
口座種別・口座番号
口座名義
支払期限
インボイス対応(任意)
インボイス登録番号
「適格請求書」の記載
税率ごとの合計額
消費税額の明記
源泉徴収(該当する場合)
源泉徴収額(10.21%)
差引支払額
源泉徴収の計算式
備考欄に記載
請負契約での源泉徴収

記事執筆・デザイン業務など、特定の業務は源泉徴収の対象になります。請求書には「報酬額」「源泉徴収額(10.21%)」「差引支払額」を明記しましょう。

例:報酬50万円の場合、源泉徴収額51,050円を差し引いた448,950円が入金されます。源泉徴収された分は、確定申告で調整できます。

AIツールで見積・請求書を作成

見積書や請求書の作成は、クラウドツールやAIを使うと効率的です。

  • クラウド会計ソフト freee・マネーフォワード・Misocaなら自動計算と保存が可能
  • AI活用 ChatGPT・Geminiで見積・請求書のテンプレートを生成できる
  • Excel・Googleスプレッドシート テンプレートをダウンロードして使える
  • PDFで保存 印鑑不要、電子データで送信が一般的
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請負契約だと、自分で全部管理するんですね。大変そう…

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そうなんだ。だから最初は準委任契約で経験を積んで、慣れてから請負契約に挑戦するのがおすすめだよ。

契約書で確認すべきポイント

準委任契約でも請負契約でも、契約書の内容をしっかり確認することは絶対に必要です。口約束だけでは、トラブルが起きた時に自分を守れません。

契約書で必ず確認すべき5つのポイント
トラブルを防ぐための重要チェック項目
契約期間と更新条件
契約がいつからいつまでか、更新する場合の条件は何かを確認します。自動更新か、都度更新かも重要です。
報酬額と支払い条件
報酬の金額、支払日、振込方法を明確にしておきます。追加費用や経費の扱いも確認しましょう。
作業範囲と責任範囲
どこまでが自分の仕事で、どこからがクライアントの責任かを明確にします。追加作業の扱いも重要です。
秘密保持義務
クライアントの情報を外部に漏らさない義務です。違反すると損害賠償を請求されることもあります。
契約不適合責任(請負の場合)
納品後に不具合が見つかった場合の対応義務です。無償修正の期間と範囲を確認しておきましょう。
AIで契約書をチェック

契約書の専門用語がわからない場合は、AIツールを活用しましょう。

  • ChatGPT・Claude・Gemini 契約書の条項を貼り付けて、わかりやすく説明してもらう
  • 専門用語の確認 「甲・乙」「瑕疵担保責任」「契約不適合」などの意味を質問
  • リスクの確認 「この条項で注意すべき点は?」と聞く
  • 比較 他の契約書と比較して、不利な条件がないか確認

ただし、AIの回答を鵜呑みにせず、わからない部分はエージェントやクライアントに直接確認することが大切です。

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契約書って難しそうだけど、しっかり読まないとダメですね。

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そうだね。わからない言葉があったら、必ずエージェントやクライアントに質問しよう。「契約書を読みました」と言った瞬間、全ての条件に同意したことになるからね。

まとめ

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今日の話で、準委任契約なら請求書を作らなくていいってわかって安心しました!

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でも、請負契約で自分で案件を受ける場合は、見積書と請求書を自分で管理しないといけないんですね。

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その通り。契約形態によってやることが全然違うから、最初に確認することが大切だよ。多くのエンジニアは準委任契約とエージェント経由でスタートして、経験を積んでから請負契約に挑戦するのが一般的なんだ。

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契約書もちゃんと読まないとダメなんですね。

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そう。わからない部分は必ず質問して、納得してから契約しよう。お金のトラブルは、事前の確認で防げることがほとんどなんだよ。

お金と契約の基本ポイント
  • 準委任契約+エージェント 請求書作成は不要、振込先登録だけでOK。多くのエンジニアが利用する働き方
  • 請負契約 見積書・請求書を自分で作成・管理する必要がある。経験を積んでから挑戦するのがおすすめ
  • 源泉徴収の理解 準委任契約のシステム開発は原則対象外。記事執筆・講演など特定業務のみ源泉徴収される。確定申告で正しく申告すれば還付される
  • 契約書確認 報酬額・支払い条件・作業範囲・秘密保持義務を必ず確認する
  • AIツール活用 クラウド会計ソフトやAIで、見積・請求書の作成を効率化できる
  • わからないことは質問 専門用語や不明な点は、必ずエージェントやクライアントに確認する

次は「第4章:フリーランスとして働くリアル」で、実際の仕事の進め方を学びましょう。初日の迎え方からコミュニケーションの基本まで、現場で役立つ知識を身につけます。

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