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第3章 - セクション5

クラウドソーシングに登録してみよう

ランサーズ・クラウドワークスの始め方と最初の案件獲得

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クラウドソーシングって名前は聞いたことあるんですけど、実際にどうやって始めればいいんですか?いきなり仕事が取れるものなんでしょうか…

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クラウドソーシングは、フリーランスが最初の実績を積むのにぴったりの場所なんだ。エージェント経由だと実務経験が必要になることが多いけど、クラウドソーシングなら未経験からでも挑戦できる案件がたくさんある。

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へぇ、未経験でも大丈夫なんですね。でも、どうやって仕事を見つけるんですか?

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今日は、クラウドソーシングの仕組みから、登録、そして最初の案件を獲得するまでの流れを一緒に見ていこう。

クラウドソーシングとは

クラウドソーシング(Crowdsourcing)とは、インターネットを通じて不特定多数の人に仕事を発注する仕組みです。「Crowd(群衆)」と「Sourcing(調達)」を組み合わせた造語で、企業や個人がオンラインで仕事を依頼し、スキルを持った人がそれに応募して仕事を受けるという形態です。

クラウドソーシングでは、クライアント(発注者)、プラットフォーム(仲介サービス)、ワーカー(受注者)の3者が関わります。

クラウドソーシングの仕組み
発注側
企業や個人
仕事を依頼
発注
報酬支払い
クラウドソーシングサービス
仕事を掲載
仲介
報酬支払い
受注側
サービス登録者側
応募
納品
報酬受取
プラットフォームが報酬を保証
クライアントは事前に報酬を預け、納品完了後にワーカーへ支払われます。未払いトラブルを防ぐ「仮払い」システムにより、安心して仕事ができます。

クラウドソーシングの位置づけ

フリーランスの仕事探しには「クラウドソーシング」と「エージェント」の2つの方法がありますが、それぞれ特徴が異なります。

  • クラウドソーシング 自分で案件を探し、提案して受注する。単価は低めだが、未経験でも応募できる案件がある
  • エージェント 担当者が案件を紹介してくれる。実務経験1年以上が目安だが、月40〜80万円の高単価案件が中心

実務経験が1年以上ある方は、最初からエージェント経由で案件を探すのがおすすめです。単価が高く、契約手続きや単価交渉もサポートしてもらえます。

一方、完全未経験の方はプログラミングスクールで学びながら案件紹介を受けるのが最も確実なルートです。

ただ、スクールは有料なので、コストを抑えたい場合や、まずは小さな案件で実績を積みたい場合はクラウドソーシングから始めるのも良いでしょう。

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なるほど、経験があるならエージェント、完全未経験ならスクール経由が確実なんですね。ではどんな時にクラウドソーシングを使えばいいんでしょうか?

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スクールを卒業したばかりで実績がない場合や、特定の技術を試してみたい場合にクラウドソーシングは有効だよ。最初の一歩として、実務経験を積むための場として活用しよう。

主要なクラウドソーシングサイト

日本には複数のクラウドソーシングサイトがありますが、エンジニアにおすすめなのは以下の3つです。それぞれ特徴が異なるので、自分のスキルや目的に合わせて選びましょう。

ランサーズ

  • 日本最大級の案件数
    • Web制作・システム開発・デザインなど幅広いジャンルの案件が豊富
  • 認定ランサー制度
    • 実績を積むと「認定ランサー」として信頼度がアップし、受注しやすくなる
  • 手数料16.5%(税込)
    • 報酬から差し引かれる形で、登録・利用は無料

ランサーズは2008年にサービスを開始した日本初のクラウドソーシングサービスです。案件の質が高く、継続的な取引に発展しやすいのが特徴です。

クラウドワークス

  • 登録者数480万人以上
    • 国内最大手のクラウドソーシングサービス
  • 初心者向け案件も充実
    • 簡単なタスク形式の案件から始められるので、実績作りに最適
  • 手数料5〜20%
    • 報酬額に応じた段階制で、高額案件ほど手数料が安くなる

クラウドワークスは案件数・登録者数ともに国内トップクラス。スマホアプリも使いやすく、案件の検索・管理がしやすいのが特徴です。

ココナラ

  • スキル出品型
    • 自分のスキルを「商品」として出品し、購入されるのを待つスタイル
  • 価格を自分で設定
    • 自分の実力や市場価値に応じて自由に価格設定できる
  • 手数料22%(税込)
    • 手数料は高めだが、プログラミング相談やコードレビューなど幅広いサービスを出品可能

ココナラは「案件に応募する」のではなく「自分のスキルを出品する」スタイル。ある程度スキルに自信がついたら、自分のサービスを販売してみましょう。

どのサービスを選ぶべき?

最初はランサーズとクラウドワークスの両方に登録することをおすすめします。理由は以下の通りです。

  • 案件の幅が広がる 同じクライアントでもどちらか一方にしか掲載しないケースがある
  • 使い勝手を比較できる 実際に使ってみて、自分に合うサービスをメインにすればいい
  • 登録は無料 どちらも無料で登録・利用できる(手数料は報酬から差し引かれる)

ココナラは「自分でサービスを出品する」スタイルなので、ある程度スキルに自信がついてから始めるのがおすすめです。まずは受け身で案件を探せるランサーズ・クラウドワークスで経験を積みましょう。

登録から案件獲得までの5ステップ

クラウドソーシングで仕事を獲得するまでの流れを、5つのステップで見ていきましょう。

クラウドソーシングで仕事を獲得するまで
STEP
01
会員登録
メールアドレスまたはSNSアカウントで無料登録。本人確認を済ませると信頼度アップ
STEP
02
プロフィール作成
自己紹介、スキル、実績を記入。写真も設定すると応募通過率が上がる
STEP
03
案件を探す
スキルや希望条件で検索。最初は小さな案件から挑戦するのがコツ
STEP
04
提案・応募
案件に提案文を送る。クライアントの課題を理解した提案が採用のカギ
STEP
05
受注・納品
契約成立後、作業を進めて納品。検収完了で報酬が確定する
最初は「実績づくり」が目的
高単価を狙うより、まず1件の実績を作ることを優先しましょう。レビューと実績が増えれば、自然と単価も上がっていきます。

会員登録と初期設定

ランサーズ、クラウドワークスともに、メールアドレスまたはGoogle/Facebookアカウントで無料登録できます。登録後は以下の設定を済ませておきましょう。

  • 本人確認 運転免許証やマイナンバーカードで本人確認を行う。信頼度が上がり、応募できる案件も増える
  • 銀行口座の登録 報酬の振込先を設定。後からでも登録できるが、最初に済ませておくとスムーズ
  • NDA(秘密保持契約)への同意 機密情報を扱う案件に応募するために必要

プロフィールの書き方

クラウドソーシングで案件を獲得できるかどうかは、プロフィールの質で大きく変わります。クライアントは提案文を読む前に、まずプロフィールをチェックします。ここで信頼を得られなければ、どれだけ良い提案をしても採用されません。

プロフィールに書くべき情報

  • プロフィール写真 顔写真またはイラストを設定。未設定だと信頼度が下がる
  • 自己紹介文 何ができる人なのか、どんな経験があるのかを簡潔に
  • スキル・得意分野 使える言語やツールを具体的に記載
  • 実績・ポートフォリオ 過去の制作物やGitHubへのリンク
  • 対応可能時間 週に何時間稼働できるか、連絡可能な時間帯
  • 稼働開始日 いつから仕事を始められるか

自己紹介文の書き方

自己紹介文は、クライアントに「この人なら安心して任せられそう」と思ってもらうための重要な要素です。

良い例

はじめまして。Webエンジニアとして活動しております。

【対応可能な業務】 ・HTML/CSS/JavaScriptを使ったWebサイト制作 ・WordPressのカスタマイズ・テーマ開発 ・レスポンシブデザインの実装

【経験・実績】 ・企業サイトのコーディング(3件) ・ECサイトのLP制作(2件) ・個人ブログのWordPress構築

【稼働時間】 平日夜と土日で週20時間程度の稼働が可能です。 Slack、ChatWorkでの連絡に対応しております。

丁寧なコミュニケーションを心がけ、納期厳守でご対応いたします。 お気軽にご相談ください。

悪い例

プログラミング勉強中です。 まだ経験は浅いですが、頑張りますのでよろしくお願いします。 HTMLとCSSは少しできます。

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「勉強中」って書いちゃダメなんですか?

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クライアントは「仕事を任せられる人」を探しているから、「勉強中」だと不安になってしまうんだ。たとえ学習中でも、「HTMLとCSSでWebサイトを制作できます」のように「できること」を具体的に書く方が印象がいいよ。

プロフィール写真の重要性

プロフィール写真が未設定のアカウントは、提案が通りにくくなります。顔写真に抵抗がある場合は、清潔感のあるイラストアイコンでもOKです。ただし、アニメキャラや風景写真は避けましょう。ビジネスの場であることを意識してください。

案件選びのポイント

プロフィールを整えたら、次は案件を探します。クラウドソーシングには数万件の案件が掲載されていますが、すべてに応募すればいいわけではありません。特に最初のうちは、「確実にこなせる案件」を選ぶことが重要です。背伸びして難しい案件を受けてしまうと、納品できずにトラブルになったり、低評価をつけられたりするリスクがあります。

初心者が狙うべき案件

最初の3〜5件は「実績を作る」ことを最優先に考えましょう。報酬の高さより、確実に納品できて良い評価をもらえる案件を選ぶことが、長期的な成功につながります。

  • 単価が低めでも実績になる案件
    • 最初は「実績を作る」ことが目的。高単価にこだわりすぎない
  • 要件が明確な案件
    • 「何を作ればいいか」が具体的に書かれている案件を選ぶ
  • コミュニケーションが取りやすそうなクライアント
    • 質問への返信が丁寧、評価が高いクライアントを選ぶ
  • 自分のスキルで確実にできる案件
    • 背伸びしすぎず、確実に納品できるものから始める

避けるべき案件(地雷案件)

残念ながら、クラウドソーシングには悪質なクライアントも存在します。こうした「地雷案件」に引っかかると、大量の作業を強いられたり、報酬が支払われなかったりするトラブルに巻き込まれる可能性があります。以下のような特徴がある案件には、十分注意してください。

  • 報酬が極端に低い
    • 相場の半分以下の案件は、追加作業を無償で求められるリスクがある
  • 要件が曖昧すぎる
    • 「いい感じに作ってください」など、具体的な指示がない案件はトラブルの元
  • クライアントの評価が低い
    • 過去のワーカーから低評価を受けているクライアントは避ける
  • 「テスト」と称して無料作業を求める
    • 採用前に成果物を無料で提出させる案件は悪質な可能性が高い
  • 連絡先を聞き出そうとする
    • プラットフォーム外での直接取引を持ちかける案件は規約違反
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報酬が低すぎる案件って、どのくらいが目安ですか?

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例えば、LP(ランディングページ)のコーディングなら相場は3〜5万円くらい。これが1万円以下だと明らかに安すぎる。作業時間と報酬を計算して、時給換算で最低でも1,000円以上になる案件を選ぶのがポイントだね。

提案文の書き方

案件を見つけたら、提案文を書いて応募します。クラウドソーシングでは、1つの案件に10〜50件以上の提案が集まることも珍しくありません。その中から選ばれるためには、クライアントの心に響く提案文を書く必要があります。

提案文は単なる「応募の挨拶」ではなく、クライアントの課題を理解し、自分がその解決に最適な人材であることを伝える営業ツールです。テンプレートをそのまま送るのではなく、案件ごとにカスタマイズすることが採用への近道です。

クライアントが見るポイント

  • この人は要件を理解しているか 案件の内容を正しく把握しているかどうか
  • 実績・スキルは十分か 同様の案件をこなした経験があるか
  • コミュニケーションは取りやすそうか 丁寧で分かりやすい文章を書けるか
  • 納期を守ってくれそうか スケジュールの見通しが立っているか

提案文の構成

提案文には、以下の要素を含めましょう。

  • 挨拶と自己紹介
    • 簡潔に自分が何者かを伝える
  • 案件への理解を示す
    • クライアントの課題や要望を自分の言葉で言い換える
  • 対応可能な理由
    • なぜ自分がこの案件に適しているかをアピール
  • 関連する実績
    • 類似案件の経験があれば具体的に示す
  • 納期・稼働時間
    • いつまでに、どのくらいの時間で対応できるか
  • 質問があれば
    • 不明点を確認する姿勢を見せる
提案文の例

はじめまして。Webエンジニアの○○と申します。

ご依頼のコーポレートサイトリニューアルについて、ぜひお手伝いさせていただきたく、ご提案いたします。

【ご依頼内容の確認】 ・既存サイトのデザインリニューアル ・レスポンシブ対応 ・お問い合わせフォームの設置 ・納期:1ヶ月以内

上記の内容で相違ございませんでしょうか。

【対応可能な理由】 これまでに企業サイトのリニューアル案件を3件担当しており、レスポンシブ対応・フォーム実装の経験がございます。 ポートフォリオ:https://example.com/portfolio

【納期について】 ご依頼いただいてから3週間程度で納品可能です。

【稼働時間】 平日夜と土日で週15〜20時間の稼働が可能です。Slackでの連絡にも対応しております。

ご不明点がございましたら、お気軽にご質問ください。 ご検討のほど、よろしくお願いいたします。

テンプレートに頼りすぎない

提案文をテンプレート化して使い回すのは効率的ですが、案件ごとにカスタマイズすることが大切です。クライアントは多くの提案を受け取るため、テンプレートそのままの提案は埋もれてしまいます。

特に「案件への理解を示す」部分は、その案件の要件をしっかり読み込み、自分の言葉で書き換えましょう。クライアントの課題に寄り添った提案が、採用への近道です。

AI添削で提案文を磨く

提案文を書いたら、ChatGPTやClaudeに「この提案文をより分かりやすく、説得力のある文章に添削してください」と依頼してみましょう。誤字脱字のチェックや、より適切な表現への言い換えを提案してくれます。ただし、AIの出力をそのまま使うのではなく、自分の言葉で微調整することを忘れずに。

受注後の流れ

提案が通ったら、いよいよ仕事の開始です。クラウドソーシングでは、契約から納品までの流れがシステム化されているため、初めてでも迷いにくい仕組みになっています。ただし、いくつか注意すべきポイントがあるので、しっかり押さえておきましょう。

  • 契約・仮払いの確認
    • クライアントが報酬を仮払いしたことを確認してから作業開始
  • 要件の最終確認
    • 不明点があればこのタイミングで質問。認識のズレを防ぐ
  • 作業の進行と進捗報告
    • 定期的に進捗を報告し、クライアントを安心させる
  • 納品と検収
    • 成果物を納品し、クライアントの確認を待つ
  • 報酬の確定
    • 検収OKで報酬が確定。評価を相互に行う

仮払いの重要性

クラウドソーシングでは、仮払い(エスクロー) という仕組みがあります。これは、クライアントが事前に報酬をプラットフォームに預けておく制度です。

  • 仮払い前に作業を始めない 仮払いがないまま作業すると、納品後に支払われないリスクがある
  • 契約内容と仮払い金額を確認 提案時の金額と一致しているかチェック

仮払いが完了していれば、納品後に報酬が確実に支払われるので安心して作業できます。

まとめ

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クラウドソーシングって、登録から案件獲得まで全部オンラインで完結するんですね。

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そうなんだ。だからこそ、プロフィールや提案文で「信頼できる人だ」と思ってもらうことが大切になる。顔が見えない分、文章でしっかりアピールする必要があるんだよ。

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最初は小さな案件から始めて、実績を積むことが大事なんですね。

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その通り。1件でも実績があれば、次の案件に応募するときに「過去にこんな仕事をしました」と言える。その積み重ねが、フリーランスとしての信頼につながっていくんだ。

クラウドソーシング活用のポイント
  • まずはランサーズとクラウドワークスに登録 両方に登録して案件の選択肢を広げる
  • プロフィールは丁寧に作り込む 写真、自己紹介、スキルを具体的に記載する
  • 最初は実績づくりを優先 高単価より確実にこなせる案件から始める
  • 地雷案件を避ける 報酬が極端に低い、要件が曖昧な案件には注意
  • 提案文は案件ごとにカスタマイズ テンプレートの使い回しではなく、要件を理解した提案を
  • 仮払い確認後に作業開始 報酬トラブルを防ぐため、必ず仮払いを確認してから着手

次のセクションでは、エージェント経由で仕事を探す仕組みについて学んでいきます。クラウドソーシングで実績を積んだら、エージェントへの登録も視野に入れていきましょう。

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