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第5章 - セクション1

フリーランスと会社員のお金の流れはどう違う?

給料・保険・税金の違いとAI会計支援の活用

男子生徒のアイコン

先生、フリーランスって会社員とお金のもらい方が違うんですか?

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うん、大きく違うよ。例えば、アルバイトで時給1,000円もらったとき、そのまま1,000円もらえるわけじゃないよね?

女子生徒のアイコン

あ、税金とかが引かれるから、実際に手元に来るのは少し減りますよね。

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そう。会社員は会社が税金を計算して引いてくれるけど、フリーランスは全部自分で計算して払わなきゃいけないんだ。働き方が変わると、お金周りのすべてが変わってくる。今日はその違いを見ていこう。

お金のもらい方はどう違う?

会社員とフリーランスでは、収入の受け取り方が根本的に異なります。会社員は「給料」、フリーランスは「報酬」という形でお金を受け取ります。

お金のもらい方の違い
安定した給料 vs 自分で管理する報酬
会社員の給料
会社が管理してくれる
毎月固定額
決まった日に決まった金額が振り込まれる
手取り自動計算
税金や保険料を会社が計算して引いてくれる
年末調整
会社が税金の調整をしてくれる
安定性が高い
雇用契約の範囲で、基本は毎月の給料が支払われる
フリーランスの報酬
自分で管理する
変動収入
仕事の量や単価によって毎月変わる
自分で税金計算
報酬から税金や保険料を自分で支払う
確定申告
年に1回、自分で税務署に申告する
収入は不安定
仕事がなければ収入もゼロになる
働き方が変われば、責任も変わる
会社員は会社がお金の管理をしてくれますが、フリーランスはすべて自分の責任です。その分、自由度は高くなりますが、知識と管理能力が求められます。

給料と報酬の違いを具体的に理解しよう

「同じ30万円でも、手元に残るお金が違う」。これがフリーランスと会社員の大きな違いです。具体例で見てみましょう。

会社員の場合:

会社から「給与30万円」と提示されると、実際に手元に入るのは約24万円程度です。残りの6万円は、会社が自動的に税金(所得税・住民税)や社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険)を差し引いて、国や自治体に納めてくれます。あなたは何もしなくても、すべて処理されています。

フリーランスの場合:

クライアントから「報酬30万円」を受け取ったら、その30万円はまるまる自分の口座に振り込まれます。でも、そこから自分で国民健康保険料(約3万円)、国民年金保険料(約1.7万円)、税金(約5万円)などを支払う必要があります。つまり、実際に使えるお金は約20万円程度になります。

※ここでの金額は「ざっくりの例」です。家族構成、住んでいる自治体、控除(生命保険料控除など)、経費の額などで大きく変わります。大事なのは、会社員は「会社が差し引いて納める」のに対し、フリーランスは「いったん全額受け取り、あとから自分で支払う」点です。

この違いは、会社員の場合は「会社が保険料の半分を負担してくれる」ことが大きな理由です。同じ収入でも、実質的な手取りはフリーランスの方が少なくなることを理解しておきましょう。

男子生徒のアイコン

えっ、フリーランスの方が手取りが少なくなるんですか?

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会社員は会社が保険料の半分を負担してくれるからね。フリーランスは全額自己負担だから、同じ収入でも手取りは少し減るんだ。

社会保険はどう変わる?

社会保険とは、病気やケガ、老後などに備えるための制度です。会社員とフリーランスでは、加入する保険の種類や負担額が大きく異なります。

社会保険の違いを理解しよう
会社員は会社の支援があり、フリーランスは全額自己負担
健康保険
病院に行ったときの医療費を補助する保険
会社員:会社の健康保険に加入。保険料は会社と折半(半分ずつ負担)
フリーランス:国民健康保険に加入。保険料は全額自己負担(収入や家族構成で変動)
年金
老後の生活費を支える仕組み
会社員:厚生年金。保険料は会社と折半(将来は厚生年金+国民年金のイメージ)
フリーランス:国民年金。月額16,520円(2024年度)を全額自己負担(別途、老後資金の準備が必要になりやすい)
雇用保険
失業したときの生活を支える保険
会社員:雇用保険あり。条件を満たせば失業手当を受け取れる
フリーランス:原則なし。仕事がなくなったときは貯金や保険などで備える必要がある

保険料の負担額を比較してみよう

保険料は収入や地域によって変わるため、ここでは「負担の仕組み」を中心に比べます。

保険の種類会社員(自己負担額)フリーランス(全額自己負担)
健康保険会社と折半(概ね半分が本人負担)全額自己負担(前年所得などで変動)
年金厚生年金(会社と折半)国民年金(全額自己負担)
雇用保険あり(本人負担+会社負担)なし
合計(自己負担額)条件により変動条件により変動

※保険料は地域や家族構成、収入で変動します。実際の金額は各自治体や加入先の基準で確認してください。

健康保険が会社員より重く感じやすいのは、フリーランスの国民健康保険が「全額自己負担」かつ前年収入などを基に計算されるためです。会社員の健康保険は会社が半分負担するので、本人負担が抑えられます。

ここでは「会社員は折半、フリーランスは全額自己負担」という仕組みの違いを押さえることを目的にしています。

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会社員は会社が半分負担してくれるって、大きい違いなんですね。

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そうだね。この「折半か全額負担か」の違いが、手取りや家計の感覚に影響するんだ。それに、将来もらえる年金額も変わるから注意が必要だよ。

税金の扱いはどう違う?

税金についても、会社員とフリーランスでは大きな違いがあります。

会社員の場合:会社が税金を管理

会社員は、毎月の給料から税金が差し引かれます。所得税は給料から自動的に引かれ、これを「源泉徴収」と言います。住民税も多くの場合は給料から天引きされます。年末には、会社が「年末調整」という手続きで、払いすぎた税金を返してくれたり、不足分を追加で払ったりします。つまり、あなたは何もしなくても税金の手続きが完了します。

フリーランスの場合:自分で税金を申告

フリーランスは、自分で以下の手続きをする必要があります。

  • 収入の記録 毎月の報酬や売上を正確に記録する
  • 経費の記録 仕事に使った費用(パソコン、ソフトウェア、通信費など)を記録する
  • 帳簿の作成 収入と支出を整理して帳簿にまとめる
  • 確定申告 年に1回(2月16日〜3月15日)、税務署に収入と経費を申告し、税金を計算して支払う

確定申告では、1年間の収入から経費を引いた「所得」に対して税金がかかります。例えば、年収500万円でも、経費が100万円あれば、課税対象は400万円になります。この仕組みを理解することで、適切な経費管理が節税につながることがわかります。

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経費って、何でも経費にできるんですか?

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いや、「仕事に必要なもの」だけが経費として認められるんだ。例えば、開発に使うパソコンや、クライアントとの打ち合わせの交通費は経費になる。でも、私的な食事や旅行は経費にできないよ。

経費として認められるもの・認められないもの

経費として認められるもの(例):

  • パソコンやソフトウェア
    • MacBook Pro(25万円)、Adobe Creative Cloud(月6,000円)、GitHub Copilot(月10ドル)など開発に必要なツール
  • 通信費
    • インターネット料金(月5,000円)、携帯電話料金(仕事で使う割合のみ)
  • 書籍・学習費
    • 技術書(1冊3,000円)、Udemy講座(1,500円)、プログラミングスクール費用など
  • 交通費
    • クライアントとの打ち合わせや常駐先への電車代・ガソリン代
  • 作業スペース費用
    • コワーキングスペース(月2万円)、自宅の一部を事務所として使う場合の家賃・光熱費(按分)

経費として認められないもの(例):

  • 私的な食事
    • 仕事と無関係な外食
  • 家族旅行
    • プライベートな旅行費用
  • 趣味の出費
    • 仕事に関係ない趣味のための支出
  • 生活費
    • 家賃や光熱費の全額(事業用として使う割合のみ経費可能)

生活面での違いを理解しよう

お金の管理方法だけでなく、生活全体のスタイルも変わります。

安定性と自由度のバランス
どちらが良い悪いではなく、自分に合った選択が大切
会社員の安定
守られている環境
固定給
毎月安定した収入が保証される
福利厚生
住宅手当、交通費、社会保険の会社負担
有給休暇
休んでも給料がもらえる
退職金
長く勤めると退職金がもらえる会社も多い
フリーランスの自由
自分で決める働き方
収入は不安定
仕事がなければ収入もゼロ
福利厚生なし
すべて自己負担・自己管理
休みは自由だが
休むと収入が減る
退職金なし
自分で貯蓄や投資で備える必要
自分の価値観で選ぶことが大切
安定を取るか、自由を取るか。これは「どちらが良い」という話ではなく、自分の性格やライフスタイルに合った選択をすることが重要です。両方を経験してから決めるのも一つの方法です。
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うーん、どっちも一長一短なんですね。

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そうだね。若いうちは会社員で経験を積んで、ある程度スキルがついたらフリーランスになる人も多いよ。人生の中で何度か働き方を変えてもいいんだ。

AIでお金の管理を楽にしよう

「フリーランスはお金の管理が大変そう…」と思ったかもしれませんが、今はAIツールを使えば、会計知識がなくても簡単に管理できる時代です。

AI会計支援ツールを活用しよう
難しい会計知識がなくても、AIがサポートしてくれる
freee(フリー)
銀行口座やクレジットカードと連携して、自動で帳簿を作成。確定申告書も質問に答えるだけで完成。初心者に優しい会計ソフト。月額1,480円〜
マネーフォワード クラウド
レシートをスマホで撮影すると、AIが自動で読み取り・仕訳。複数のクライアント管理も簡単。月額1,408円〜
ChatGPT / Claude
「この領収書は経費になりますか?」など、会計に関する質問にAIが答えてくれる。無料で使える便利な相談相手。
Misoca(ミソカ)
請求書や見積書を簡単に作成できるツール。テンプレートを選んで入力するだけ。無料プランあり。

AIツールの具体的な活用例

「AIでお金の管理が楽になる」と言っても、実際にどう使うのかイメージが湧かないかもしれません。具体的なシーンで見てみましょう。

日々の記録:

  • スマホでレシートを撮影 → AIが自動で金額と内容を読み取る
  • 銀行口座と連携 → 入出金が自動で記録される
  • AIが「これは経費ですか?」と質問してくれる → 答えるだけで仕訳完了

例えば、freeeではレシートの写真をアップロードすると、AIが「日付:2026/1/10、金額:1,980円、内容:技術書」のように自動で読み取ります。あなたは「書籍費」という勘定科目を選ぶだけ。手動で入力する手間が大幅に省けます。

確定申告の時期:

  • 会計ソフトが質問形式で案内 → 「はい・いいえ」で答えていくだけ
  • AIが自動で確定申告書を作成 → e-Taxで送信するだけ
  • わからないことはChatGPTに質問 → 丁寧に教えてくれる

例えば、ChatGPTに「パソコンが30万円で、仕事で7割、私用で3割使う場合、経費はいくらになりますか?」と聞けば、「21万円が経費になります。仕事で使う割合の70%を計上してください」と即座に答えてくれます。

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AIがあれば、税理士さんに頼まなくても自分でできそうですね。

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そうだね。シンプルな収入・支出なら、AIツールだけで十分対応できる。ただし、複雑なケースや大きな取引がある場合は、税理士さんに相談した方が安心だよ。

お金の管理で困ったら相談しよう
  • 保険料の試算 各市町村のホームページや「国民健康保険 計算」で検索すると、自分の地域の保険料がシミュレーションできる
  • 年金の相談 年金事務所(市町村役場内)で無料相談が可能
  • 税金の相談 税務署の無料相談会(2月の確定申告時期に開催)、税理士の無料相談サービス

AIツールを使う時の注意点

  • 最終確認は自分で AIが間違える可能性もあるので、重要な申告前には必ず自分で内容を確認
  • 領収書は保管 電子データだけでなく、紙の領収書も含めて原則保管(目安は5〜7年。状況で変わる)
  • 専門家への相談も検討 複雑なケースや不安な場合は、税理士に相談する
  • セキュリティに注意 会計データは個人情報なので、信頼できるサービスを選ぶ

まとめ

女子生徒のアイコン

フリーランスって、自由だけど、自分で管理することがたくさんあるんですね。お金のことも、保険のことも、税金のことも全部自分で…

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その通り。でも、だからこそ今からこういう知識を身につけておくと、将来の選択肢が広がるんだ。

男子生徒のアイコン

AIツールを使えば、難しい会計知識がなくても管理できそうですね!僕、数字苦手だから安心しました。

AI先生のアイコン

うん。技術の進歩で、昔よりずっと個人で事業をやりやすくなった。大切なのは「働き方が変われば、お金の扱いも変わる」ということを理解しておくこと。今から学んでおけば、将来、会社員として働くにしても、フリーランスとして独立するにしても、自信を持って選択できるよ。

女子生徒のアイコン

なんだか、フリーランスも怖くなくなってきました。ちゃんと知識があれば大丈夫そう。

AI先生のアイコン

その気持ちが大事。お金の知識は、どんな働き方を選んでも役に立つからね。

フリーランスと会社員の違いまとめ
  • 収入形態 給料から報酬へ。安定性は減るが、自分で金額を決められる自由が増える
  • 社会保険 会社の補助がなくなり全額自己負担。特に年金は将来の受取額に大きく影響
  • 税金 確定申告を自分で行う必要がある。経費管理が節税の鍵
  • 生活スタイル 安定か自由か。どちらが良いではなく、自分に合った選択が大切
  • AI活用 会計ソフトやAIチャットで、専門知識がなくても管理できる時代

次回は、具体的な「収入と支出の記録方法」を学び、実際にお金の管理を始めてみましょう。

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