初日のゴールは「完璧」じゃない
フリーランスとして案件に参画する初日は、多くの人が緊張します。「失敗したらどうしよう」「何を聞けばいいんだろう」と不安になるのは当然です。
しかし、初日に求められるのは「完璧な成果」ではありません。初日のゴールは、むしろシンプルです。
初日に目指すべき3つのゴール
初日から100点を取ろうとすると、情報量の多さに圧倒されて疲れてしまいます。まずは以下の3つに絞って考えましょう。
初日に達成すべき3つのゴール
完璧を目指さず、土台を作ることに集中する
環境に入れる状態にする
コードリポジトリ、チャットツール、タスク管理システムなど、仕事に必要な環境へのアクセス権を確認し、ログインできる状態を作る。
誰に何を聞けばいいか把握する
プロジェクトマネージャー、技術リーダー、チームメンバーなど、それぞれの役割を理解し、困ったときの相談先を明確にする。
次の一歩が決まる
明日以降の最初のタスクや目標を確認し、「次は何をすればいいか」が分かっている状態で初日を終える。
初日は「信頼の土台作り」が最優先
技術力を見せるのは2日目以降で十分です。初日は「この人とは安心して仕事ができそうだ」と思ってもらうことが何より大切です。
初日の流れを知っておこう
初日の具体的な流れは、リモート勤務か常駐勤務かで少し変わりますが、基本的な構造は同じです。タイムラインを知っておくと、心の準備ができます。
典型的な初日のタイムライン
初日の典型的な流れ(リモート・常駐どちらも基本は同じ)
STEP
01
挨拶と自己紹介(10:00-10:30)
チーム全体への挨拶と、簡単な自己紹介。リモートの場合はビデオ会議、常駐の場合は対面で行うことが多い。名前と経歴の簡単な紹介、得意分野や今回の参画目的、意気込みを短く伝える。
STEP
02
オリエンテーション(10:30-12:00)
プロジェクトの概要、使用技術、チーム構成、ルールなどの説明を受ける。ここで疑問点をメモしておく。プロジェクトの目的と背景、自分が担当する役割、コミュニケーションルール、稼働時間や報告方法を確認する。
STEP
03
環境セットアップ(13:00-15:00)
開発環境、アクセス権限、必要なツールのセットアップ。ここで躓いたらすぐに質問する。GitHubやGitLabへのアクセス、Slack/Teamsなどのチャットツール、タスク管理ツール(Jira/Backlog等)、VPN接続(必要な場合)を設定する。
STEP
04
ドキュメント確認(15:00-16:30)
プロジェクトのドキュメント、コーディング規約、開発フローなどを読み、全体像を把握する。README、設計書、議事録の場所、コーディング規約やレビュープロセスを確認し、質問したいことをリスト化する。
STEP
05
振り返りと明日の確認(16:30-17:00)
初日の振り返りと、明日からの最初のタスクを確認。分からないことがあれば、この時点で質問する。環境は問題なく整ったか確認し、明日の予定とタスクを把握、困ったときの連絡先を再確認する。
オリエンテーションで確認すべきこと
オリエンテーションは、プロジェクトの全体像を理解する重要な時間です。ここで確認すべきポイントを押さえておくと、その後の業務がスムーズになります。
質問しておきたい6つのカテゴリ
オリエンテーションで確認すべき項目
初日のうちに明確にしておこう
連絡手段とルール
どこで誰にどう連絡する?
メインのコミュニケーションツール(Slack/Teams/Chatwork等)
緊急時の連絡方法(電話?DM?)
メンション(@)の使い分けルール
返信が必要な場合の目安時間
稼働時間と報告
何時から何時まで?報告はどうする?
コアタイム(全員が揃う時間帯)
始業・終業の連絡は必要か
日次報告や週次報告の有無
作業ログの記録方法
開発フローとレビュー
どうやってコードを書いて提出する?
ブランチ運用ルール(Git Flow等)
プルリクエストの作成方法
コードレビューの流れ
マージまでの承認プロセス
アクセス権限と申請
必要な権限は揃ってる?
リポジトリへの書き込み権限
本番環境へのアクセス可否
データベース閲覧権限
追加で必要な権限の申請方法
ドキュメントの場所
困ったときどこを見ればいい?
設計書・仕様書の保管場所
API仕様やER図の最新版
過去の議事録や決定事項
よくある質問(FAQ)の有無
相談窓口と緊急対応
誰に何を聞けばいい?
技術的な質問をする相手
タスクの優先順位を確認する相手
トラブル発生時の連絡先
自分では判断できないときの相談先
質問の仕方を工夫する
- 背景を短く説明する 「◯◯を設定しようとしたところ」など、状況を簡潔に伝える
- Yes/Noで答えられる形にする 「△△で合っていますか?」のように確認形式にすると答えやすい
- 調べたことを添える 「□□を試しましたが」と、自分で努力したことを示す
- 複数質問は箇条書きで 一度に複数聞く場合は、番号を振って整理する
自己紹介と最初のコミュニケーション
初日の自己紹介は、第一印象を決める大切な場面です。緊張するかもしれませんが、30秒程度の短い内容で十分です。
自己紹介の基本構成(30秒)
- 名前と役割 「〇〇と申します。今回は△△として参画します」
- 得意分野 「これまで□□の開発を中心に経験してきました」
- 今回の目的 「今回のプロジェクトでは◇◇に貢献したいと考えています」
- お願いしたいこと 「まだ慣れないことも多いので、お気づきの点があればご指摘ください」
長々と話す必要はありません。簡潔に要点を伝える方が、かえって好印象です。
チャットでの依頼文の書き方
チャットツールでの最初のメッセージも、分かりやすさを意識しましょう。
チャットでの依頼文:良い例と改善が必要な例
相手が理解しやすい伝え方を心がける
改善が必要な例
背景が不明で判断しづらい
エラーが出ました
何をしていてエラーが出たのか不明
何をしていてエラーが出たのか不明
これどうすればいいですか
「これ」が何を指すのか分からない
「これ」が何を指すのか分からない
お願いします
何をお願いしているのか不明確
何をお願いしているのか不明確
良い例
状況・質問・期限が明確
背景を説明
「環境構築中、npm installで依存関係のエラーが発生しました」
「環境構築中、npm installで依存関係のエラーが発生しました」
具体的に質問
「package.jsonのバージョンを確認すべきでしょうか?」
「package.jsonのバージョンを確認すべきでしょうか?」
期限を伝える
「今日中に解決したいので、お時間あればご助言いただけますか」
「今日中に解決したいので、お時間あればご助言いただけますか」
「結論→背景→依頼→期限」の順で書くと伝わりやすい
最初に結論(何を聞きたいか)を書き、次に背景、そして具体的な依頼内容と期限を添えると、相手が状況を素早く把握できます。
まとめ
初日の持ち物(情報)チェックリスト
- メモとペン 重要な情報をその場で記録する
- アカウント情報 事前に発行されたIDやパスワードを手元に
- 連絡先リスト 緊急時の連絡先を確認しておく
- 質問リスト 事前に疑問点を整理してメモ
- 当日のゴール 「環境に入る」「人を知る」「次を決める」の3つを意識