情報の見せ方で変わる理解しやすさ
私たちは日常生活でも「情報の整理」に囲まれています。本屋さんでは本がジャンル別に並び、レストランではメニューが種類ごとに分けられています。これは、人が情報を理解しやすくするための工夫なのです。
同じ情報でも、表現方法によって理解のしやすさは大きく変わります。Webページでも同様で、情報をどう見せるかで、ユーザーの使いやすさが決まります。以下の例を比較してみてください。
整理されていない情報の例
人気の漫画ランキングを紹介します。1位はワンピース(作者:尾田栄一郎、ジャンル:冒険、巻数:100巻以上)、2位は鬼滅の刃(作者:吾峠呼世晴、ジャンル:バトル、巻数:23巻)、3位は呪術廻戦(作者:芥見下々、ジャンル:バトル、巻数:24巻)、4位はドラゴンボール(作者:鳥山明、ジャンル:バトル、巻数:42巻)、5位は進撃の巨人(作者:諫山創、ジャンル:ダーク、巻数:34巻)です。
リストで整理された情報の例
- 1ワンピース作者:尾田栄一郎 | ジャンル:冒険 | 巻数:100巻以上
- 2鬼滅の刃作者:吾峠呼世晴 | ジャンル:バトル | 巻数:23巻
- 3呪術廻戦作者:芥見下々 | ジャンル:バトル | 巻数:24巻
表で整理された情報の例
なぜ情報整理が重要なのか
Webページの情報整理は、単に「見た目を良くする」だけではありません。ユーザーの体験や、ページの使いやすさに直結する重要な要素です。
- 視覚的な理解しやすさ 人間は整理された情報を素早く処理しやすい。ばらばらな羅列より構造化された形の方が理解されやすいことが知られている
- 重要な情報の発見 リストや表を使うことで、ユーザーが求める情報をすぐに見つけられます。順位、カテゴリー、比較など、目的に応じた整理ができます
- スマートフォン対応 小さな画面でも情報が見やすくなります。適切に整理された情報は、どんなデバイスでも読みやすくなります
- アクセシビリティの向上 スクリーンリーダーなどの支援技術が、構造化された情報を正確に読み上げられます。みんなにとって使いやすいWebページになります
情報の種類によって選ぶべき整理方法
全ての情報をリストや表にすれば良いというわけではありません。情報の特性や目的に応じて、最適な整理方法を選ぶことが重要です。
物語や経験談、複雑な概念の解説などは、自然な文章の流れで表現した方が理解しやすいことが多いです。
一方で、手順や比較、データなどは構造化して整理することで、より分かりやすくなります。 今回は、リストと表の使い分けについて見ていきましょう。
- 手順やプロセス
- ランキングや順位
- メニューや選択肢
- チェックリスト
- 階層構造のある情報
- 複数項目の比較
- 数値データ
- スケジュール
- 価格表
- 仕様一覧
実際のWebサイトでの活用例
普段私たちが何気なく使っているWebサイトでも、リストと表による情報整理は至る所で活用されています。意識して見てみると、いかに情報が効果的に整理されているかがわかります。
- Amazon 商品の仕様は表 レビューはリスト
- 食べログ レストランの詳細は表 メニューはリスト
- YouTube 動画一覧はリスト型 再生回数など数値比較は表形式
- 学校サイト 時間割は表 お知らせはリスト
普段見ているサイトも リストと表で情報が整理されています。
この章で学ぶこと
この第3章では、情報整理の基本から実践的な応用まで、段階的にスキルを身につけていきます。HTMLの構造的な側面を深く理解できる重要な章です。
- リストの基本 ul(箇条書き)とol(番号付き)の使い方と使い分けを学びます
- 入れ子のリスト リストの中にリストを作る方法で、複雑な階層構造を表現します
- 定義リスト 用語と説明をセットで表現する特別なリストを学びます
- 表の基本 table、tr、tdを使って基本的な表を作成します
- 表の構造化 thead、tbody、thを使って意味のある表構造を作ります
- 実践プロジェクト 学んだ技術を組み合わせて、実用的なページを作成します
- 情報設計スキル 情報の性質に応じた最適な整理方法の選択
- リスト活用スキル 様々な種類のリストを使い分ける技術
- 表作成スキル データを分かりやすく表示する表構造の実装
- アクセシビリティ 意味のあるマークアップで誰もが理解しやすい構造
- 実践力 複雑な情報を整理して表現する総合的なスキル
この章では、情報を「見える化」する技術を学びます。リストと表を適切に使えるようになると、どんなに複雑な情報でも読み手にとって分かりやすく整理できるようになります。一つ一つ丁寧に学んでいきましょう!