なぜHTMLを学ぶの?
私たちが毎日使っている人気サイトはほとんどがHTMLがベースになっています。Google、YouTube、Instagram、Xなど、普段利用しているサイトは基本的にHTMLで作られているのです。
HTMLを学ぶことで得られる価値は計り知れません。個人ブログを作って自分の考えや体験を発信したり、ポートフォリオサイトで作品や実績を世界中に紹介することも可能です。さらにはオンラインショップを開設して商品販売やビジネス展開することもできるのです。
作成可能なサイト | 具体的な活用例 | 得られる効果 |
---|---|---|
個人ブログ | 日記、体験談、専門知識の発信 | 自己表現、情報共有 |
ポートフォリオサイト | 作品集、実績紹介、履歴書代わり | 就職活動、営業活動 |
オンラインショップ | 手作り商品販売、サービス提供 | 収益化、ビジネス展開 |
企業サイト | 会社情報、製品紹介、採用案内 | ブランディング、信頼獲得 |
これらは現代社会で重要な役割を果たす情報発信の手段です。HTMLは創作活動や情報発信の強力な道具として、あなたのアイデアを世界中に届ける可能性を秘めています。
HTMLとは何か
HTMLの正体を探る
HTMLは HyperText Markup Language の略です。少し難しく聞こえるかもしれませんが、分解してみると意外とシンプルです。
要素 | 意味 | 役割 |
---|---|---|
HyperText | すごいテキスト | ページからページへ移動できる「リンク」機能を持つテキスト。 |
Markup | 印(マーク)をつける | テキストに「これは見出し」「これは段落」といった意味の印をつけること。 |
Language | 言語 | コンピューターと人間がコミュニケーションするための言葉。 |
つまりHTMLは、「リンク機能を持った文章に、タグで意味付けをするための言語」 ということなのです。
私たちが見ているWebページの裏側には、必ずこのHTMLという「骨組み」が存在しています。見出し、段落、リンク、画像といった部品を正しい場所に配置して、コンピューターに「ここは見出しです」「ここは画像です」と伝えるのがHTMLの役割なのです。
HTMLの書き方:タグで意味と構造を与える
HTMLはタグという特別な記号を使って、文章に意味と構造を与えます。タグは <
と >
で囲まれた指示書のようなもので、コンピューターに「この部分はこういう意味ですよ」と教えてくれます。
具体的な例を見てみましょう。
<section>
<h1>私の自己紹介</h1>
<h2>基本情報</h2>
<p>こんにちは!私は田中太郎です。</p>
<p>中学2年生で、プログラミングを学び始めました。</p>
<h2>趣味</h2>
<ul>
<li>読書</li>
<li>映画鑑賞</li>
<li>ゲーム</li>
</ul>
</section>
このコードが、HTMLの2つの重要な役割である「情報の整理」と「構造の明確化」を実現しています。

1. 情報の整理と分類
以下のようにタグを使うことで、ただの文字列に具体的な意味を与えることができます。これが情報の整理と分類の役割です。
<section>
は、「自己紹介」という章・節であることを示します<h1>
と<h2>
は、文章が見出し(しかも重要度が違う)であることを示します<p>
は、「こんにちは!…」などの文章が段落であることを示します<ul>
と<li>
は、趣味の項目がリストであることを示します
2. 構造の明確化
さらに、タグは文書全体の階層構造を明確にします。
この例では、以下のような明確な階層構造をコンピューターが理解できます:
<section>
- プロフィール章全体<h1>
- 章全体のタイトル「私の自己紹介」<h2>
- 章内の小見出し「基本情報」「趣味」<p>
や<ul>
- 各小見出しの下にある内容
まるで本の構造と同じように、「章→見出し→小見出し→内容」という階層がはっきりと分かるのです。良い設計図には、どこが土台でどこが柱かはっきり書いてあるのと同じですね。
Webの仕組みとHTMLの役割
HTMLからWebページへの変換
HTMLファイルからWebページになるまでには、興味深いプロセスがあります。まず全体の流れを図で確認してから、詳細を見ていきましょう。

変換プロセスの詳細
HTMLファイル(設計図)
プログラマーがタグを使って構造を指定した文書です。建築でいう設計図のような存在で、「ここに見出しを置いて、ここに段落を配置する」といった指示が書かれています。
例えば、以下のようなHTMLコードが書かれています:
<h1>私のホームページ</h1>
<p>こんにちは!</p>
ブラウザー(建築業者)
ChromeやSafari、Edgeといったブラウザーが、HTMLファイルを解析して文字の大きさや配置、色などを決めて画面に表示してくれます。
美しいWebページ(完成品)
私たちが実際に目にするWebページは、HTMLファイルという設計図に基づき、ブラウザーが各要素を最適に配置して完成されます。
先程のHTMLコードが、ブラウザーによって変換され以下のような表示になります。

HTMLは「設計図」、ブラウザーは「建築業者」という関係性で理解すると分かりやすいでしょう。同じHTMLファイルでも、異なるブラウザーで表示すると少し違って見えることがあるのは、建築業者(ブラウザー)によって仕上げ方に個性があるからなのです。
HTMLの歴史と進化
HTMLの発展の流れ
HTMLには長く興味深い歴史があります。30年以上の進化により、現在の豊富な機能を持つWebページが実現されました。
時代 | バージョン | 主な特徴 | 実現できたこと |
---|---|---|---|
1990年代 | HTML 1.0 | 文字とリンクのみ | 電子版新聞のようなページ |
2000年代 | HTML 4.0 + CSS | デザインと構造の分離 | 美しいレイアウト |
2014年〜 | HTML5 | アプリ並みの機能 | 動画・音声・ゲーム |
各時代の詳細な進化
1990年代:Web誕生期
HTML1.0という最初のバージョンが登場しました。文字と簡単なリンクがあるだけのシンプルなWebページで、まるで電子版の新聞のような感じでした。
2000年代:発展期
HTML4とCSSという技術の組み合わせが生まれました。デザインと構造を分けるという画期的な概念が誕生し、見た目を美しくしながら文書の構造も保てるようになったのです。
2014年:HTML5確立
現代Web技術の大きな転換点となりました。動画再生、音声再生、位置情報取得などアプリのような機能が実現し、NetflixやYouTube、Google Mapsといったサービスの基盤になったのです。
現代のHTML技術
現在もHTMLは進化を続けており、Web標準は常に更新されています。より便利で安全で高速な技術が開発され続けているのです。
HTML5により実現された代表的なサービスには、動画配信サービス(Netflix、YouTube)、オンラインゲーム、リアルタイム通信(チャット、ビデオ通話)、位置情報サービス(Google Maps)などがあります。
HTMLの基礎をしっかりと理解することで、この30年間の技術進歩の成果をフルに活用できるようになります。
HTML5は「HTML Version 5」の略で、現在も使われている最新の標準規格です。私たちが学ぶのも、このHTML5をベースにした内容です。
まとめ
HTMLの基礎知識はWeb制作の第一歩です。これから学ぶタグや構造の知識が、将来の創作活動や情報発信の強力な武器になります。