枠線(border)の基本
borderプロパティの基本構文
枠線を作るプロパティです。要素に視覚的な境界線を作ることで、コンテンツを区切ったり、重要な部分を強調したりできます。
基本的な書き方
セレクター {
border: 太さ 種類 色;
} borderプロパティの値は、太さ、種類、色の3つをスペース区切りで指定します。この3つの要素を理解することで、思い通りの枠線を作ることができます。
- 太さ(border-width)
1px、2px、3pxなどのピクセル単位で指定 - 種類(border-style)
solid(実線)、dashed(破線)、dotted(点線)など - 色(border-color)
red、#3498db、rgb(52, 152, 219)などで指定
実際のコード例
/* 基本的な枠線 */
.box {
border: 1px solid blue;
}
/* グレーの太い枠線 */
.card {
border: 5px solid #e0e0e0;
} 対応するHTML
<div class="box">青い枠線</div>
<div class="card">グレーの太い枠線</div> - コード編集エリアをクリックすると、CSSコードの編集ができます
- 太さ、種類、色の値を変更して、枠線の見た目の変化を確認してみましょう
枠線の種類を理解しよう
枠線にはさまざまなスタイルがあります。用途に応じて適切な種類を選ぶことで、デザインの印象を大きく変えることができます。
主要な枠線スタイル一覧
CSSで使用できる主要な枠線スタイルと、それぞれの特徴を確認してみましょう。
- solid 最も一般的な実線の枠線。シンプルで読みやすく、あらゆるデザインに使用できる
- dashed 破線(点線が連続)の枠線。区切り線や軽い装飾として使用される
- dotted 点線の枠線。可愛らしい印象やアクセント的な装飾に適している
- double 二重線の枠線。重要な要素の強調やフォーマルな印象を与える
- groove 立体的に凹んで見える枠線。クラシックなデザインやボタンに使用
- ridge 立体的に盛り上がって見える枠線。grooveの逆で、装飾的な効果を演出
各スタイルのコード例
枠線を個別に設定する方法
borderプロパティは、上下左右の枠線をまとめて設定しますが、個別に設定することも可能です。これにより、より柔軟なデザインが実現できます。
/* 個別の方向指定 */
border-top: 2px solid #3498db; /* 上の枠線 */
border-right: 1px dashed #e74c3c; /* 右の枠線 */
border-bottom: 3px dotted #2ecc71; /* 下の枠線 */
border-left: 2px solid #9b59b6; /* 左の枠線 */
/* より詳細な個別指定 */
border-top-width: 3px;
border-top-style: solid;
border-top-color: #3498db; 影(box-shadow)の設定
box-shadowの基本構文
影を作るプロパティです。要素に立体感を与えることで、浮いているような効果や奥行きのあるデザインを作ることができます。
基本的な書き方
セレクター {
box-shadow: 水平位置 垂直位置 ぼかし 色;
} box-shadowプロパティの値は、水平位置、垂直位置、ぼかし、色の4つをスペース区切りで指定します。
各パラメーターの役割と数値の意味
- 水平位置(offset-x) 正の値で右、負の値で左に影を移動
- 垂直位置(offset-y) 正の値で下、負の値で上に影を移動
- ぼかし(blur-radius) 大きいほどぼんやり、0だとくっきりした影
- 色(color) 薄い黒(rgba)が一般的、カラー影も可能
実際のコード例
影の位置がどう変わるかを実際に確認してみましょう。
- 数値を変更して、影の位置や強さの変化を確認してみましょう
- 透明度(rgba の最後の値)を調整すると、影の濃さが変わります
影の種類を理解しよう
box-shadowでは、パラメーターを調整することでさまざまな種類の影を作ることができます。デザインの目的に応じて適切な影を選ぶことが重要です。
主要な影の種類と効果
CSSで表現できる主要な影の種類を確認してみましょう。
- ドロップシャドウ 水平で影は作らず、垂直に影を落として、ぼかし強めで柔らかな印象を作る
- インナーシャドウ insetキーワードで内側に影を作り、上から軽く影を落として凹み感を演出
- グロー効果 位置を0にして中央配置、大きなぼかしで光る効果を作る
- リフト効果 垂直位置を大きく、ぼかしをさらに強くして浮遊感を演出
- 複数の影 複数の影をカンマで区切り、近い・遠いの2段階で立体感を強化
- カラードシャドウ 水平・垂直両方にずらし、色つき影で装飾的なアクセントを付ける
枠線と影の実践的な活用
よく使われるデザインパターンを試してみよう
実際のWebサイトでよく使われる枠線と影の組み合わせパターンです。数値や色を自由に変更して、様々な効果を試してみましょう。
- 色を変更 border-colorやbox-shadowの色を変えて、ブランドカラーに合わせてみましょう
- サイズ調整 影の大きさやぼかしの値を変更して、強弱をつけてみましょう
- 組み合わせ実験 枠線の種類(solid, dashed, dotted)と影の組み合わせを試してみましょう
- 内側の影 insetキーワードを使って、へこんだ効果も試してみましょう
理解度チェッククイズ
枠線と影ミニクイズ
div {
border: 3px dashed red;
padding: 15px;
} div {
box-shadow: 0 0 20px blue;
} div {
box-shadow: ?;
} まとめ
- borderプロパティ 太さ・種類・色を組み合わせて視覚的な境界線を作成
- 個別指定 border-topなどで部分的な枠線を設定し、現代的なアクセント効果を演出
- box-shadowの基本 水平位置・垂直位置・ぼかし・色の4つのパラメータで立体感を表現
- 影の種類 ドロップシャドウ、グロー効果、インナーシャドウなど用途に応じて使い分け
- 組み合わせ効果 枠線と影を組み合わせることで、カードやボタンに高級感と奥行きを付与
- 実践的応用 実際のWebサイトでよく使われるデザインパターンを習得
次回は、要素の配置を制御する基本的なレイアウトについて学んでいきます。displayやpositionなど、より高度なデザインの基礎となる重要な概念です。